狭いスプレッドが低コストにつながるわけではない

多くのFX会社が取引手数料を無料としている中、取引スプレッドは個人投資家が取引する際の実質コストとなります。現在、多くのFX会社が狭いスプレッドをアピールしています。しかし、表示上の狭いスプレッドが、本当に低コストにつながるわけではありません。

「ドル/円スプレッド0.5銭」などと日立つように広告していても、よくよくHPを見ると欄外に「相場急変時などにはスプレッドが広がる可能性があります」と注釈がついていたりするのです。

スプレッドは、本来その通貨ペアの取引流動性に大きく左右されます。メジャー通貨ペアほど取引量が多いため、基本的には狭いスプレッドとなります。またスプレッドは、その通貨ペアの取引時間によっても大きく左右されます。

重要な経済指標発表前後や、金曜日のニューヨーク市場後場、月曜日の早朝などは、市場参加者が少ないために流動性が減り、スプレッドは拡大する傾向にあります。ましてや、リーマンショック直後などの有事・不測の事態となれば、通常スプレッドが1pips程度のインターバンク取引のドル/円でさえ、50pips以上になったりすることもあるのです。

FX会社は、銀行から各通貨ペアのリアルレートを配信してもらい、各社独自のスプレッドを設定して個人投資家に提供しています。よって、個人投資家のスプレッドは、取引FX会社の取り扱い銀行とその数に大きく依存することになります。銀行によって、得意かつ強い通貨ペアはさまざまだからです。

たとえば英国系の銀行であれば、英国系の顧客をたくさん持ち、それが取引量に反映されるため、自動的にイギリスポンドの通貨ペアおよびロンドン時間がより競争力のあるレート配信ができる環境にあります。このようにスプレッドはつねに変動するものであり、ましてや半永久固定などはありえないのです。