N値で利益確定を効率的に行う

 

 

乖離率から考えた移動平均線の使い方は、言葉を換えれば相場に必ずある「オーバーシュート」、つまり「行きすぎ」に注目するやり方です。オーバーシュートに着目したテクニカル分析はRSIやストキヤステイクスなどオシレーター系と呼ばれるものもありますが、もうひとつの考え方として「値幅」に着目する方法があります。

1ドルが100円から87円に落ちれば、皆さんも「下がりすぎだから、そろそろ上がるだろう」と考えるでしょう。でも、そこに根拠がないと単なる値ごろ感でのトレードになってしまいます。チャートを合理的に分析して、どのくらいの値幅が動いたらオーバーシュートなのか、客観的に考えていくのです。

チャートとは「相場の地図」にほかなりません。FXのトレードが登山だとすれば、皆さんの現在地が3合目なのか、7合目なのか、それを確認するための地図です。ただ、チャートには頂上がどこなのか、明示されてはいません。頂上はどの辺かなと類推する手がかりとなるのが、値幅です。

この値幅からもチャートの転換点を探すこともできます。過去のチャートを見ていて、ひとつのトレンドが10円単位で動いていたとすると、足元の下降トレンドが前回高値から9円ほど下がってきた、そうなれば前回のトレンドの値幅が10円だったわけですから、転換点は近そうと判断できるのです。

また値幅からトレンドを分析していくと、利益を最大限に伸ばすこともできます。

 

 

では、値幅をどう計算すればいいのか。基本となるのは前回のトレンドの値幅ですが、一日均衡表には「値幅観測論」という考え方が含まれています。これを盲信するのは危険ですが、目安として使用する分には非常に心強い味方となってくれます。ここでは「N値」についてご紹介しましょう。

どこで利益確定するべきかと考えたとき、このようにN値でポイントを計算しておくと、この場合は最大限まで利益が伸ばせていたことになります。N値を利用すると、値動きがどこまでいくのか、目安を知ることができますから、利益確定を効率的に行うことができるのです。

値幅は過去の値動きによって左右されます。ボラティリティ(変動率)の大きな相場が続いていれば、N値の示すターゲットも必然的に遠めになってくるでしょう。ところが、昨日はボラティリティが大きかったからと言って、今日も明日も値動きの大きな相場が続くとは限りません。

あるいは逆に、小幅な値動きが続いていたのに突然、大きく動き出すこともあります。そうしたときほN値だけで考えていると、予想が外れることもあるでしょう。ですから、最初にもお伝えしたように値幅だけを盲信してはいけないのです。

ただし、相場には値動きの大きな局面、小さな局面というものがあります。一度ボラティリティが大きくなると、しばらくは値動きの大きな相場が続きやすいのです。逆もまたしかりです。ですから、過去3カ月から半年程度のチャートを視野に入れながら、いまの相場の状況を見極めて、値幅を活用してください。