感性で読むチャート

 

 

好きなチャートの形に「ソーサーボトム」があります。ソーサー、つまりお皿の底のような形です。

相場は上がり下がりを繰り返しています。上がっているときに何が起きているか。最初は上がっていくのを見て、みんなが一生懸命買っていきます。みんなが買うので相場は上がります。同時に買いポジションがふくらんでいきます。ところが、どこかで相場は転換して下がり始めます。

今度は下げていくのを見て、ふくらんだ買いポジションが精算されていきます。利食いか損切りかはわかりませんが、とにかく下がっていくのを見れば、買い手はポジションを精算しようとするでしょう。

ここまでは精算売りが中心ですが、ところがあるところからは新規の売りが増えてきます。売りで勝負しようという人たちです。買い持ち中心からスクウェアに、そして今度は売り持ち中心へと、相場が展開していくのです。

このとき、もっとも下がる勢いが強いのは初期、つまり買い手がポジションを精算しようと投げているときです。それが一巡すれば、今度は新規の売り手が目立ってきますが、このときも比較的勢いがあります。ところが新規の売り手がいつまでもいるわけではありません。やがて新規の売り手がとだえてきます。

そうなると下がる勢いは弱まっていきます。そして最後にはデイトレーダーなど短期で取引する人だけが、一生懸命売っている状態になってしまいます。そうなると、売りに対する嫌気がさし始めて、やがて底打ち反転となります。これがソーサーボトムの形成される過程です。

 

 

ところで、人間には2通りのパターンがあり、一度の失敗で学習する人と何度も同じ失敗を繰り返してしまう人がいます。皆さんには前者になってもらわなければなりませんが、しかしおもしろいことに個々人のレベルではなく、その集合体であるマスのレベルになると、学習効果が極めて乏しいのです。

マスと言っても、それを形成する個々人は毎回入れ替わっているでしょうし、学習しない人も少なからずいますから、結局全体として見ると、「また同じ失敗を繰り返すのか」と思わされることが多いのです。

逆に言えば、それこそがテクニカル分析が有効な理由でもあるのです。大衆はつねに間違えるのだから、皆さんには学習してもらい、感性を磨いてもらうことで、容易に勝つチャンスが得られるのです。そこには特別な情報も知識も手法もいりません。ソーサーボトムのような、ごくオーソドックスなチャートパターンや、情報を合理的に判断する感性があればいいのです。

ソーサーボトムが形成されつつあるとき、ほかの相場参加者がどんな会話をしているか、少しだけ感性を働かせてみてください。「売っても下がらないね。どうしようか?」「もう下がらなそうだね。どこかで買いに転じないと」「そろそろみんな嫌気がさして買い戻すだろうしね」。

私にはそんな会話が想像できます。そこで買い材料となるニュースでも飛び込んでくればしめたものです。自信を持って買っていけるのです。