注目したいのは「期待値」と「最大ドローダウン」

FX会社の売買ツールの中には、膨大な数のシステムプロバイダーがあり、さらに各プロバイダーには複数通貨ペアのモデルが搭載されています。その中から、有効なモデルを選択しなければいけません。

モデルを選定する場合、まず注目したいのは、モデルの「期待値」と「最大ドローダウン」です。

期待値とは、1回あたりの取引に対する、平均的な収益の見込み額です。過去の一定期間(最低半年程度)の累計損益と取引回数から計算します。たとえば、6カ月間で取引回数80回、累計損益が1000pipsだったとします。この場合、期待値は、

1000pips÷80回=12.5pips

1カ月では、

1000pips÷6カ月=166.6pips

まで見込めます。

 

 

もちろんプラスの期待値を選択しますが、選択した当初は勝ち負けが繰り返されます。そのため、ある局面だけとらえればスタート時点は資金が増えず、負けの金額が大きくなるかもしれません。しかし、取引回数を重ねるごとに期付値に近づき、最終的には取引回数に対して、その期待値の数値の右肩上がりの直線をイメージできるような収益直線となるはずです。

最大ドローダウンとは、リスク指標です。過去にこのモデルを使用したら、資産は最大いくら落ち込んだかを示しています。1万通貨あたりの実額やpips(損失幅)で公表されています。今後もこのモデルを使用していけば、その最大ドローダウンの落ち込みがありうるというように解釈します。

落ち込むときの取引回数は、複数回(連敗)のときもあります。運が悪ければ、スタートして1回目の取引から該当するかもしれません。1回の負けで売れば資金は許容できても、連敗に耐えられないこともあります。連敗による損失額は、そのモデルの勝率とストップロスの金額から予測できます。よって、そのモデルのストップロス設定を把握しなければいけません。

 

 

裁量トレードであれば、自分で取引参入時に損切りポイントを設定しますが、システムトレードではそのモデルまかせとなります。モデルの守秘からストップロス金額を開示していないケースが多いものの、FX会社でストップロスをあらかじめ設定し、不測の事態に備える商品となっています。世界的な水準では、一般的に300pipsが目安となっています。

たとえば、勝率80%、ストップロス設定300pipsとした場合、確率の計算から3回連続して負ける可能性が100回に1回くらいあります。3回連続してストップがつくということは、300pipsx3回=900pipsの最大ドローダウンを見込んでおかなければいけないということになります。

またモデルによっては、1回の取引で設定金額の数倍のポジションを持つものもありますので、モデル選択時にそのモデルの属性をよく確認しましょう。

たとえば、取引単位を1万通貨と設定しても、そのモデルが1回の取引で最大3倍までポジションを持てる設定となっていれば、3万通貨までポジションをとる可能性があります。相場状況により、勝手に「なんぴん」が起こるのです。この場合は、上記例の最大ドローダウンは900pipsx3倍=2700pipsの損失が発生する危険性があります。

 

 

このように、勝率や期待値が優秀でも、最大ドローダウンに耐えうる証拠金の維持がないとシステムトレードは途中で終了してしまいます。そのほか、FX会社からの強制決済も、証拠金維持率によって別途設定されています。場合によっては、最大ドローダウンに達する前に、証拠金不足により強制決済されることもありますので、注意が必要です。

取引当初の口座資金は、相当の余裕を持ってスタートしなければいけません。取引金額1万通貨単位で2モデル以上のポートフォリオを構築してスタートするなら、当初口座資金は100万円程度とするなど、余裕を持ってのぞむことをお勧めします。

また、優秀なモデルかどうかを判断する場合は、期待値÷最大ドローダウンを計算します。その値が大きいほど、優秀なモデルということです。