通貨分散で大きな失敗を避ける

FXにおける「投資先分散」とは、値動きの違う複数の通貨に分散させる方法です。通貨ペアひとつにだけ投資して、勝てない場合の損失が大きくなることを避けることが目的です。一般的には、通貨の相関係数を考慮する必要があります。

たとえば、豪ドル/円とニュージーランドドル/円の組み合わせのように、相関係数が「1」に近い強度の正相関であれば、その通貨ペアを同時に買いポジションで持っていると、相場が下落すれば両通貨ペアとも同じように下落していくことが想定され、リスク分散とはなりません。この場合、ひとつの通貨ペアを買い、もうひとつの通貨ペアを売れば、前者は下落して評価損、後者は下落して評価益が出て相殺されることが想定できます。しかし、これでは収益性が低すぎて、あまり意味がありません。

また、ドル/円を1ドル=90円で10万通貨買い、同時にユーロ/円を1ユーロ=127円で7万通貨売り持ちにした場合、ユーロ/米ドルを1ユーロ=1.4111ドル(127円÷90円)で7万通貨売り持ちにしたこととほぼ等しくなります。これでは、証拠金だけ余計にかかり、やはり意味がありません。

さらに、通貨ペアによって流動性が一定でないため、その流動性も考慮することが大事です。流動性が少ないマイナーな通貨に投資する場合は、その通貨の取引量が多い時間帯だけに限定して取引するといいでしょう。たとえば香港ドルやシンガポールドルであれば、アジア市場の時間帯に限定するなどです。

 

 

通貨分散のポイントは、メジャー通貨でよく熟知した2~3の通貨ペアに分散して、取引に集中することです。いくら分散がいいからと言って、保有する通貨ペアが多くなってしまったら、どうしても日が行き届かなくなります。

相場が変動する中、新規注文や利食いに集中してすべての値動きを網羅できませんので、数多くの通貨に分散するのは避けたほうがいいでしょう。

「スワップポイント」狙いの中長期投資では、基本的に高金利通貨が投資対象となります。金利が高いということは、インフレ率が高くカントリーリスクが高まることを意味します。2008年に金融危機から取引停止に追い込まれたアイランドクローネがいい例です。

FX会社が一般的に提供している通貨であれば、カントリーリスクはそれほど気にしなくてもいいと思いますが、スワップトレードこそ、複数の通貨に分散させレバレッジを低くして投資することをお勧めします。