プロでもデモトレードから始める

FXのプロの世界でも、一人前になるには時間がかかるものです。参考までに、銀行のディーラーが一人前になるまでの過程を紹介します。

人事異動や本人の希望により、為替業務をまったく経験してない素人の銀行員が、ディーリングルームに配属されました。まず見習い(アソシエイト)からスタートします。ディーリング関係の事務処理をしながら、為替の世界を学びます。個人投資家と同様、取り巻く環境や参加者、為替商品とその取引手法など、基礎的なことを実践的に学習していくのです。

一通りジョブトレーニングが終了したところで、取引権限のあるディーラーの指示のもと、アシスタントディーラーとして実際のカバー取引ができるようになります。カバー取引では、ディーラーに指示されたことだけを取引することができますが、それ以外はできません。

たとえば「ドル/円を1ドル=99.30円で3000万ドル、ドル買いしろ」と指示があれば指示どおりの売買だけしますが、自分の判断でポジションは持てないのです。同時に、実際の取引を通じて取引画面に慣れたり、取引先銀行のディーラーとの情報交換をするなど、もう一段上の学習機会を与えられます。

 

 

その後、カバー取引をする際の敏捷性や判断力、為替に取り組む総合的な姿勢などが評価され、ディーラーとして見込まれると、ここでようやくペーパーディーリングによる仮想取引が許されます。個人で言えばデモトレードに当たる段階です。

ペーパーディーリングも、最初は少額取引で、退社時には必ずポジションを閉じるというルールからスタートします。会社にいる問の限定された時間内で、徹底的に短期売買を仮想特訓するのです。ペーパーディーリングで仮想収益が出るようになったら、ようやくオーバーナイトの仮想ポジション権限も与えられ、取引金額も増加されます。

このような過程を6カ月ほど経て、仮想収引で収益が出た者のみ、はじめて為替ディーラーとして、ポジション権限が与えられるのです。ポジションは、やはり最初は少額ですが、徐々に増えていきます。

プロがこうしたステップを踏むのは、「仕事として為替取引をしているのだから当たり前」と思うかもしれません。しかし、こうして相場に真剣に取り組んでいる相手がいる以上、個人投資家も心して立ち向かっていくことが必要です。FXに勝てない時期を経験し、勝てない理由を探しながら確実に収益を上げていくために、デモトレードの経験は欠かせないステップなのです。