FXに勝てない人に教えたいプロディーラーの自己管理術

レバレッジをかけて元本の数十倍から数百倍の取引ができるFXは、ハイリスク・ハイリターンの金融商品であり、多くのリスクがつきものですから、自己リスク管理は重要です。自分なりのルールを守ってこそ、大きな利益も期待できます。

プロであっても、管理を怠れば永久退場となるような大きな損失を生み出すこともあります。そこで、徹底したリスク管理が要求されています。

ここで、プロがどんなリスク管理を行っているのか、紹介しましょう。

まずプロは、会社側からリスクを管理されています。代表的なものは、「損失額の限度枠」と「ネットポジション枠の制限」です。

「損失額の限度枠」とは、月間ベースなどで損失額の限度枠を設け、それ以以上損失を出したら、その月の残りの取引をストップさせるというものです。たとえば、FXに勝てない時が続いて、月間の損失額限度枠が1億円の場合、その月の途中でマイナス1億円となれば、その月は月末まで一切取引をすることができません。しばらく頭を冷やし、翌月の初めになったら、改めて取引に参加できます。

「ネットポジション枠の制限」とは、たとえばドル換算で「最大2億ドルの買いポジションまで」などというように、一度に保有する取引金額の累積上限を指します。

 

 

この2つを併用することで、予想される損の幅を限定することができます。また夜問を通じて保有できるポジションは、最大ドル換算で3000万ドルに抑えるといった「オーバーナイトポジション限度枠」も設けられています。このように、会社側からリスク管理されている点は個人投資家との大きな違いです。

さらに、自分で自身の取引運営ルールも決めています。

その基本は「為替相場の値動きから長時間目を離さず張り付くこと」です。プロは職場では、1分1秒たりとも徹底して相場から目を離さないよう心がけています。会食などで外出する場合や、ほかの部署とのミーティングで席を外す場合でも、必ずストップロス(逆指値注文)を銀行の担当ディーラーに残し、いつでも携帯で連絡がとれる態勢を整えておきます。

1日の仕事が終わり退社するときは、ポジションを精算するか、保有する場合はオーバーナイトポジション枠までポジション量を減らし、残存ポジションの損切り注文を必ず残します。そして自宅に戻り次第、パソコンの前や携帯端末を見ながら、また張り付くのです。

睡眠などで目を離すことが余儀なくされる場合は取引をしないか、最低限のポジションとその損切り注文、コール・オーダーだけ入れておくのです。その場合もレート水準によってはいつでも電話で起こされる体制となっています。

さらに、通常半年間の自分の収益目標の達成具合や月間の損益状況を勘案しながら、自分なりのルールを決めて目標管理を徹底しています。たとえば今月は期初からの目標達成度が高いので、日中最大ポジションは最大2000万ドルに抑えるとか、オーバーナイトポジションは持たないと決めるということです。

 

 

多くの個人投資家は、ポジションを保有しながら相場から目を離してしまう傾向があります。そこで勝てないFXをしてしまい、大きな損失を出すのです。サブプライムローン問題やリ-マンショックのときも、ポジション保有のまま国内外の旅行にかけたり、睡眠をとったりしたため、大きな損失を出しました。その後も、半日から数日、まったく為替レートをチェックせずに放っておき、最終的にはFX会社の強制決済が発動され、勝てないまま多額の資金を失った方もかなりいたようです。

個人投資家がプロとまったく同じように行動することは少々難しいかもしれませんが、相場に張り付けないときは取引をしないか、それでもポジションを持った場合は必ず損切り注文を入れるなど、ルールを決めておくことです。

予測を問違った場合の損切りは機械的に実行します。一方、予測が当たれば利食いをしますが、そこでいかに大きく勝つかがFXで勝つ大きなポイントです。そこがFXに勝てない個人投資家との違いです。よって相場に張り付いていないと、利食いのタイミングや量の判断はできなくなります。

FXは上手にリスク管理をすれば、有効な資産運用の手段となります。為替相場は24時間、月曜日から金曜日まで休みなく動いています。収益チャンスはいつでもどこにでも転がっているのです。リスクを理解し、きちんと対処していけば、資産を増やすチャンスは必ずあります。そのためにも、個人投資家は自分を律する自分なりのルールをつくり、それを管理していくことが必要です。それができる人だけが生き残れるのです。