売りから入れない個人投資家

FXは、売りからも取引に参入できるため、相場が下落していても収益を獲得できる可能性があります。しかし、この売りから攻める手法が、個人投資家にはなかなか浸透していないようです。

実際、サブプライムローン問題を発端としたアメリカの緊急利下げから、ドル/円相場は1ドル=120円台から1ドル=80円台まで下落し、中長期的には円高局面でした。にもかかわらず、多くの方が逆張り(ドル買い先行)で取引をし、為替レートが下落する過程で勝てない状態になっています。

それは、ほかの日本の金融商品が「買い」から取引しなければならないこと‥そしてその後右肩上がりの曲線を措描いていく途中で、買ったポジションを閉じて、収益を上げる仕組みであることに長く慣れてきた歴史的背景があるからかもしれません。

また、これらの金融商品は、買って相場が下落しても、自ら損切りしなければ、保有し続けることが可能であり(いわゆる塩漬け)、見かけ上の損失はあくまでも評価損で実際の損失ではない、という感覚に慣れた運用風土が根強く残っているからかもしれません。

また個人投資家の中には、買ってモノを持たないと売ることができないような錯覚を持っている方もいるようです。

 

 

為替は通貨交換レートであり、ドル/円取引においてドルを「買う」ことは、同時にその対価の円を「売る」ことになります。つまり「売り」から取引参入した場合は、「ドルを売る」行為に対して「円を買っている」のです。特に短期売買の場合、買いから取引参入して収益を上げる利益と、売りから参入して収益を上げる利益は、スワップポイントを除けば同等です。

まず、このFXの商品性とメリットをしっかり理解したいところです。相場が下落すると予想するのであれば、落ちたところを買うのではなく、迷わず、売りから取引参入すべきです。

また、過去の歴史的相場水準と比較して値ごろであると感じ、取引に参入するケースも多く見られます。

たとえば、ドル/円相場で過去の歴史的相場水準は1ドル=360円から1ドル=80円です。そこで「1ドル=100円以下の水準は安いから買いだ。そのうち1ドル=100円以上に相場は戻るだろう。110円程度になれば利食いをしよう」と安易に考えてしまうのです。

FXは証拠金取引ですので、予測と反対の方向に為替レートが動いたら、証拠金の金額によっては、自動的に強制決済が発動され、取引自体がなくなります。先ほどの例で言えば、さらに円高が進行した場合です。いつまでも評価損で取引を保有し、戻ってくるまで様子を見ようと思っても、証拠金額とその為替レート次第ではそれも不可能となります。勝てないFXにならないように、予測を間違えたら、すぐに自分で損切りをすることが大切です。